おいしい緑茶に欠かせない、水と温度の関係
2021.03.19
美味しい緑茶を淹れるには、水の種類や温度が決め手となります。単に「水」といっても、軟水・硬水など飲み口や味の違いがあり、当然ながら水を変えただけで緑茶の味を左右します。お湯の温度によって染み出す香り(青葉アルコールなど)や渋味(カテキン)の成分量が異なり、美味しい緑茶には温度管理も欠かせません。
今回は、美味しく緑茶を淹れるための水と温度の関係についてご紹介します。
緑茶におすすめの水の種類
緑茶を入れるのに適した水は、硬度30~80mg/l程度の微酸性の軟水が合うとされています。
硬水は、お茶の苦味が抑えられてしまい、苦味・渋味・旨味のバランスが大事な緑茶には不向きとされます。
硬度10mg以下の軟水も、苦味を強く感じるようになるため、緑茶には向きません。
硬度が高すぎても低すぎても適さず、日本の水はほぼ微酸性のため、日本のミネラルウォーターか日本の水道水を使用されることをおすすめします。
日本の水道水を使用する場合
カルキ消毒がされているため、カルキ臭を抜いてから使用します。
①水道水をやかんに入れ、フタを少し開けた状態で4~5時間汲み置きします。
②汲み置きした水を火にかけ沸騰させます。
③沸騰してから、3~5分程度弱火で火にかけ続けます。
こうすることによって、カルキの嫌な臭いを除去することができます。
外国産のミネラルウォーターを使用する場合
ラベルに記載されている硬度を確認してから購入しましょう。
フランスやアメリカ産の水で比較的軟水のミネラルウォーターの販売があります。
緑茶の旨味を引き出すお湯の温度
緑茶の種類によって適した温度があり、温度管理はそれぞれが持つ味や風味を引き出す重要なポイントとなります。
甘みを出したいときは、お湯の温度を低めにし、抽出時間を長く設定します。
苦みや渋味を出したいときは、お湯の温度を高く設定します。
緑茶の種類別に適した温度をご紹介します。
玉露
適温:40~60度
抽出時間は1分程度が目安です。低めの温度でじっくり抽出することで、玉露の特徴でもある旨味と甘さを引き出します。
煎茶
適温:70~80度
抽出時間は30秒~60秒程度が目安です。煎茶は香り・渋味・旨味のバランスがよく、特徴を引き出すためにカテキン(渋味成分)とアミノ酸(香り・旨味成分)が溶け出す、高すぎず低すぎない温度で抽出します。
ほうじ茶
適温:90~100度
抽出時間は30秒程度が目安です。ほうじ茶の香り高さを引き出すために高めの温度で抽出します。
ほうじ茶は焙煎した緑茶ですので、煎茶・玉露・抹茶に比べてカフェインが少なく、高温で淹れても苦み成分が抑えられます。
まとめ
茶葉の量、水の種類、湯量、お湯の温度、抽出時間をかけ合わせることによって緑茶の味・風味が変わります。
お好みにあわせて温度や抽出時間を変え、自分が一番美味しいと思う条件を見つけ出すのも緑茶の楽しみのひとつです。